「今日はちょっと食欲がない」「いつもより元気がない」そんな小さな異変に気付くのは、毎日一緒にいる飼い主さまです。大事に至らないためには、そのような異変をいち早く感知して、様子を見すぎずに受診することが大切です。一食でも「食べない」という症状がある場合、一日程度ご自宅で様子を見てもやっぱり元気がなければ、早急に来院してください。
夏は皮膚病、食欲不振で来院されることが多いです。最近は室内飼いのワンちゃんが多いので、熱中症にかかる子もよくいます。外出時もエアコンは一定の温度に保つなど、温度管理に注意してあげてください。冬はネコちゃんの風邪が多いです。 気候や季節に対応できるよう、飼い主さまが快適な環境をつくってあげることが大切です。
当院では、将来的な交配や繁殖を希望されない方には、生後半年で去勢手術・避妊手術をおすすめしています。
手術を行うメリット・デメリット
メリットとしては、ホルモンバランスの変化によって、メスの場合は子宮内膜炎や蓄膿症の予防になります。オスの場合も、ホルモンバランスが変化すれば病気にかかりにくくなります。また、性格が少し温厚にもなります。デメリットとしては、ホルモンバランスの変化によって、肥満になる傾向があります。
肥満傾向がみられる場合は、食事療法で予防します。食事療法のご説明もしていますので、どのような食事があるかなどは、その際にご案内しています。
健康診断は、病気の早期発見が目的です。定期的にお越しください。ワンちゃんでいうと、狂犬病の予防接種やフィラリア予防で来られる春の時期に、一緒に健康診断として血液検査をするようおすすめしています。ほかの動物の場合でも、一年に1度は血液検査をしておくとよいでしょう。
診療にあたり大切にしていること
動物たちの病気を治すにあたり、いろいろなケースをご紹介して、飼い主さま一人ひとりにとってのベストな選択をしていただくことを、いつも心がけています。
飼い主さまにも動物たちにも、様々な事情があります。よって、獣医師側から「これが最高の治療です」と押し付けることはできません。獣医師にできることは、今までに得た知識と経験をもって、さまざまなパターンをご紹介することです。そして、制約があるなかで、この子にとって一番よい治療方法を考えていくことです。
高額な薬を使うケースや、延命治療になるかもしれないケースは、その都度飼い主さまにご説明しています。当院では、飼い主さまあっての動物たちと考えております。獣医師側で勝手な判断はせず、必ず飼い主さまの理解を得てから治療を進めています。